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第12回 プラスの旅

光ディスクというものに携わったのは四半世紀以上前のことですが、CD-RWや、DVD+RWと縁ができたのはちょうど10年前でした。この10年間、規格の議論や、プロモーション活動のために世界を飛び回りました。このプラスの部屋の中でも旅に関する話を中心にしてきました。 今日は、宿泊に絡んだお話です。途中、少し脱線しますがご容赦ください。

ハノーバーの民宿
ハノーバーというドイツの町でCeBITという世界最大級のITショーが開催されます。町の人口に匹敵するくらいの出展者や見学者がやってくるのですから、当然ホテルは不足します。ハノーバーの町がどうやってそれに対処したのかおわかりですか? そう、にわか民宿ができるのです。 ベッドルームが空いているお宅が、素泊まりもしくは朝食付きでそのベッドルームを旅行者に貸し出すのです。 中にはふだんはお子さんが使っている部屋をその間だけお子さんはご両親の寝室で寝て、民宿にするお宅もあるようでした。 日本から行くと、ドイツの入り口のフランクフルトに到着するのが夕方6時くらいで、それからさらに国内線に乗り換えるのですから到着は9時過ぎになります。 そこから、渡された住所だけを頼りに、タクシーでそのお宅まで行き、呼び鈴を押して、ようやく到着です。 普通のお宅ですから、必ずしも英語がしゃべれるわけでもなく、初めて行ったときにはあいさつして部屋に通された後、明日の朝ごはんは何時に食べたいか? といった話をするのに、ドイツ語会話ポケットブックを見ながら10分位かかったのは今では楽しい思い出です。 朝食は、パンとチーズ、ハムなどが、テーブルに並べられていて、勝手に食べてでかけます。 夕食は外で食べて帰ります。到着したときにおうちのカギを渡されているので、夜遅くなっても、自分の家に帰るように勝手に生活できます。 第一話に書いたようにビアホールで酔っ払って帰り、バスルームで記憶がなくなってしまったこともありました。 あの時のお宅には迷惑をかけなかったのでしょうか? 何年かの間に数件のお宅に泊めていただきましたが、まったくビジネスライクに対応されるお宅や、オーナーのご老人と一緒に食事や買い物にいったりするアットホームな雰囲気のお宅など、みなさんお世話になりました。 何にしても見ず知らずのろくにことばも通じない外国人を数日とはいえ住まわせるのですから、大したものですね。

いきなり脱線ですが、このような展示会に出展する際には、新しい技術や製品なりを見せて、アピールすることになります。2000年に、世界で始めてのDVD+RWへの書込み デモを行いました。開発段階ですからドライブとしての形が完成しているわけではなく、電子回路は大きなボードに組まれているというプロトタイプで行いました。この装置を日本から持っていくわけですが、なにせ初めてのことで、運送中に壊れてしまっては元も子もありませんから、大きな箱に厳重に梱包して手荷物(もちろんチェックインは必要ですが)としてもっていくことになりました。 それから、税関はどうやって通るのか、規格外の大きさなので追加料金を払いにいったり、と四苦八苦の末、ようやくハノーバーに到着しました。 前日、技術を担当してくれたSさんと会場に機材を運びこみ、一刻も早く動作確認をしたいのですが、なにせ借り物の場所なので、コンセントはないし、用意されているはずの計測器がなかったりと、やきもきしながらようやく一度は成功し、テストをやり過ぎると本番で動かなくなるのも怖いので、その日はそこで終了。 翌日は本番の会場に装置をそーっと運んでセッティングします。 当時は記録形DVDがホットな話題でしたから、けっこうな数の取材陣を前に、記録済みのディスクと未記録のディスクを見比べさせて、未記録のほうにこれから書きますよって、マジックショーみたいな説明をしながら、Sさん記録を始めてくださいとお願いし、演台から見えるオシロスコープに記録しているときの波形が見えた時には、思わず満面の笑みを浮かべながら、DVD+RWの特長の説明を始めました。 もちろん記録はうまくいき、取り出したディスクを市販のDVDプレイやーで再生して見せるところもパーフェクトに行きました。 Sさんご苦労様でした。
翌年、いよいよ本当にドライブの形ができあがり、パソコンに内蔵して展示するところまできました。 今度も寒いドイツのショーです。 前日にセットを始めたところ、日本からデモ用にもっていったパソコンをうっかり電圧設定を変更しないまま240ボルトに接続してしまい、壊してしまいました。 しょうがないので、現地のパソコンショップに行って代替えのパソコンを購入してきました。 ところが、肝心の試作品のドライブが動かないではないですか。 会場は正式開催日の前日と言うことで暖房もなく、零下に近い温度で悪戦苦闘が続きます。 冷えすぎてだめなのかと、コーヒーメーカーの上にドライブを置いて暖めたりと、技術陣のがんばりでどうにか復旧しましたがとっくに真夜中を過ぎ、民宿までとぼとぼと帰ったのでした。 でも本番になってからは、快調に動作し、技術スタッフの皆さんに感謝!
また、とある技術セミナーで、できたての新しい性能のドライブのステージデモを行ったときには、さあ、書き込みスタートというときに動き出さないではないですか。事前の準備段階でも何度か動きださないことがあって、こうすれば立ち直る ということは何となくわかっていたので、大慌てしたわけではありませんでしたが、立ち直るまでの2分間くらい、「いやあ、いろんなところでデモやっていると、うまく行かないこともあるんですよね」なんて、ごまかしたのも楽しい思い出です。

で、また、宿の話に戻りましょう。
ギャンブルで有名なラスベガスという町はみなさんよくご存じですね。 ここのホテルはひとつひとつがテーマパークのようなもので、多くのホテルがなにかしらコンセプトをもってデザインされています。 いくつか例をあげると、エジプトのピラミッドやスフインクスのあるルクソール、その隣の魔法の国にエクスカリバー、ニューヨークの町並みとローラーコースターのニューヨークニューヨーク、マーライオンよりずっと大きなライオンの像があるMGMグランド、エッフェル塔があるパリス、古代ローマをモチーフにしたシーザーズパレス、マルディグラがコンセプトのハラス、オーシャンズ11の舞台になったベラッジオ、ホテルの中にゴンドラで運河巡りができるベネチアン、宝島をベースにしたトレジャーアイランド、中国系コンセプトらしいがどちらかというと緑がテーマのようなウィンなど、泊まらなくても見て回るだけで楽しくなります。ウィンは写真のように凹面になっており、太陽の角度によっては、レンズのように集光して、そのあたりだけぼーっと暖かくなっていました。どこかのホテルに泊まったときに、ドアノブの軸の下にちょっと出っ張りがあって、起こさないでタグをぶら下げるときにおっこちにくくなっているのかなと感心していたのですが、朝出かけて、夕方帰ってきたときに、普通は横向きになっているドアノブが、だらんと下向きになっているではありませんか。触ると、ノブがすぽっと抜けてしまいました。そのときようやく気がついたのですが、出っ張りは、ドアノブと軸を固定していたねじだったのです。鍵はもっていても、どうにもなりません。廊下の電話からフロントに電話したのですが、英語では説明のしようがなく、向こうも普通は考えられないような事態なので、よけいに混乱して、ようやく部屋に入れたのは1時間後でした。

いろいろと旅の思い出はありますが、一番大事な思い出は、その間に出会った人たちの ことです。 このプラスの部屋の皆さんはもちろん個性的で、それぞれ魅力のある方た ちですが、他にも何人か紹介しましょう。

DPさん まさにアメリカ人という感じで、全く屈託のない人でした。日本でのイベントにも何度 かやってきて、いつ着いたの?と聞くと3日前という答え。何してたのかと聞くと富士 山に登ってきたそうで、それもずいぶん下のほうから歩いて登ってきたらしい。 こい つはそういうタイプなんだなと思って、次に来たときにまたチェックするとMt. Yari(槍ケ岳)に登ってきたとのことで、驚いたことに、降りてきて松本で泊まろう思っていたら なんだかお祭りがあって、宿は満員、泊まれずに川沿いの公園のベンチでぼんやりして いたら、お祭り帰りの若者の一団と話をしているうちに意気投合。結局、その人の家に 泊めてもらったそうです。今でも世界中で遊びまわっているのでしょうか。

MTさん
ロックバンド シカゴのビルチャンプリンを女性にしたような感じの方。米国でのイベント開催にはずいぶんとお世話になりました。 面倒なことを一人でひきうけてくれるアメリカ人とは思えない(失礼)律儀な方でした。 

HKさん
あるフォーマットの技術WGの運営を協力してやることになって以来、10年以上のつきあいになります。日本人との付き合いが多いせいか、なんとなく日本的な心情を理解してくれていると思います。 お子さん、だいぶ大きくなったかな。

PWさん
光ディスク関連の国際標準化での重鎮のひとりですが、初めて顔を見たのは15年前、ツーソンで、ラテン系のスケベなおじさんという印象をもったことを覚えています。7、8年後に再開したときには髪が短くなって、ジャンレノのような感じに変わっていました。交渉の場では、言うべきことはきっちり主張し、オフになるとユーモアたっぷりの紳士です。

DCさん
在米のアジア人で、光ディスクのパイオニアの一人です。 15年前、アメリカのマーケット調査のために単身出張し、この方に案内していただいて、10日ほどほとんど二人で、過ごしてみっちり英語の勉強になりました。小柄なおじいさんだったのですが、元気はつらつで土曜日にはロッキー山脈の中にあるスキー場に連れていってくれました。 うっすらと凍ったようなフリーウェイを走りながら、「ところでこの車のタイヤは冬用なの?」と聞くと、いや普通のタイヤだと聞いてちょっとびびりました。 当時60歳を越えていらっしゃいましたが、スキーも達者になさっていました。 いまでもお孫さんにかこまれてお元気そうです。

BFさん
とあるメーカーと技術交流をするために出張したときの、相手側の技術責任者でしたが会議途中の4時ごろ、「ぼくはフィットネスに行くのでこれで失礼」と言って帰ってしまいました。 Noriさんの話の中に○○人気質の話がありましたが、目の当たりにして実感した一幕でした。

他にもたくさん、書き切れないくらいいろんな人とお会いしました。イニシャルだけでもご紹介します。 欧州から HDさん、MKさん、HSさん、JNさん、RTさん、DAさんほか、米国では、MMさん、SVさん、KDさん、SSさんなど、日本でも、SSさん、KAさん、YIさん、AKさん、YKさん、TNさん、OMさん、MHさんなどなど、もちろん、プラスの部屋の住人さんたちも、いっぱい思い出がありますが、それぞれの皆さんの個性は、文面から感じとってください。
プラスの旅って、ほんとうは、これら多くの皆さんと知り合いになり、いろんな文化、考え方を教わったことなんだなと思います。 また、何処かで出会って、ビールで乾杯しましょう!   

▼▼以前の記事はこちらからご覧ください。
第1回 ハマのビール瓶

みなさんこんにちは、ハマのビール瓶です。 今日は、私の大好きなビールにまつわるお話をさせていただきます。

2006年ワールドカップの主催国であるドイツには、世界最大級の展示会場があります。場所は、ハノーバーというドイツの真中やや北部の町で、受験生の皆さんには、18世紀のハノーバー王朝という名前でおなじみではないかと思います。 この町は人口50万人くらいの都市ですが、ショーの期間中は10万人以上の規模の人が訪れてきます。 
さて、この会場ですが、総面積100万u、展示面積31万u(幕張メッセ7個分)の会場に 27もの展示ホールが軒を連ねています。ここで開催されるCeBITは、いまや世界最大級のIT関連の見本市となっています。ショーでは、展示をしている皆さんはもちろん大忙しですが、訪れる何万人という人たちの食事の準備も大変なようです。 各建物にはカフェやレストランがあり、ハンバーガーやホットドックといった軽食から、コース料理までチョイスできるようになっています。 
ドイツというお国柄か、会場内の一角にミュンヘナーハーレー (ミュンヘンホールのほうが聞きなれた感じですね)というビアホールがあります。 ここは2000席近い規模があり、ちょっとした体育館といったサイズです。 世界中からエキジビションに集まった皆さんが、ホット一息入れるというか、たまったエネルギーを爆発させる場となっています。ミュンヘナーハーレーメインメニューはなんと言ってもビールですが、たくましい中年女性のウェートレスさんが1リットルくらいのジョッキを、トレイなど使わず、ジョッキの取っ手をガシっと握って、一度に6〜8個くらいを運んできてくれます。 あわせてソーセージや豚の足を輪切りにしてゆでたアイスバインやザワークラウト(酸っぱいキャベツの煮物)を食しながらいただきます。
ホールの2階席にはビックバンドが向かい合って演奏しています。 有料ですが、このバンドの指揮をとることができ、指揮者は好きな曲を選ぶことができます。 もちろん、流行の曲もありますが、世界中から人が集まっているので、ポルカのような東欧の民謡や各国の定番ご当地ソングなど面白い曲を聞くこともできます。 また、クイーンの「We are the Champion」は、定番中の定番で、やはりビジネスマンは、チャンピョンになりたいのか、みなさんのお気に入りのようです。

ビッグバンドの演奏 お酒が回ってくると、あちこちで陽気なダンスが始まり、挙句の果てはテーブルの上で踊りだす人や、みんなでムカデ行進、ナプキンの紙飛行機乱舞が始まります。 隣の席の見知らぬ国の人とお友達になるのも楽しみのひとつです。 昔、オランダの会社の人にもらった、大きな木靴が私の家にあります。
近年、インターネットの発達で、情報を入手する手段が増えたせいもあり、そういったショーで展示するという意味合いが減ってきたことから、出展企業が減少するなど下火になりつつありますが、ちょっと寂しい気もします。

もうひとつ、ビールで有名な国がベルギーです。 ベルギーでは、その昔修道院などで作り始めたことが起源だそうで、多彩な種類があります。 最近は酒屋さんにも結構並んでいますね。(ちょっと値段は張りますが) なかでも私が気に入っているのは、クリークという種類の、いったん発酵したビールにチェリーなどフルーツを加えて再発酵させたビールで、濃い赤みがかった色をしています。泡もほのかにピンク色で、とてもかわいらしくおしゃれな雰囲気の飲み物です。 是非トライしてみていただいてはどうでしょう。

第2回 空港での待ち時間の過ごし方

みなさん今日は、ハマのビール瓶です。
 他の部屋のでも時々話題になるように、フォーマットの規格を検討したり、プロモーション活動のために、海外出張することがたびたびあります。 最近はセキュリティのチェックが厳しいので、早めに空港に行って手続きをするのですが、その後には待ち時間が結構出来てしまいます。 また、途中の空港で乗り換える場合も、接続が悪いと数時間待たなければならないこともあります。 空港がダウンタウンに近ければ、ちょっと空港を抜け出して散策をするといった冒険もできますが、遠い場合は乗り遅れてるわけにもいきませんから、空港で待つことになります。 
こんなとき、皆さんだったら何をしますか?

  1. ただ、じっとゲートで座って待つ。(本を読む、仕事をする、眠る その他)
  2. コーヒーショップやバーで、お茶やビールを飲んでいる
  3. お土産のショッピング
  4. 連れがいれば、おしゃべりしている

など、いろんな過ごし方があります。

 私のお勧めは、空港の中でウォーキングをすることです。 アメリカの空港はやたら大きいところがあり、例えば、日本人にはおなじみのロサンゼルス空港は、ターミナル1からターミナル7まで順番に歩いていくと約1.5Kmくらい、サンフランシスコでも、国際線ターミナルから国内線の各ターミナルをぐるりと一周すると1キロ以上になります。  飛行機に乗るとじっとしたまま食事だけとるので、ほとんどブロイラーになった気分になりますが、こうやって空港の中を歩くことで、運動不足の解消、待ち時間の退屈さを簡単に解消することができます。警備員さんもたくさんいますから、セキュリティ上も安心です。

 また、歩き回っていると面白いものに出くわすことがあります。先日サンフランシスコ空港でのことですが、ターミナル3のコンコースの中で、オーディオの歴史という展示がしてありました。もちろん出だしはエジソンのレコードからですが、初期のテープレコーダー、初期のビデオレコーダー(テープ幅は2〜3インチくらいありました)、映画フィルムにどうやって音声を入れてきたかについての展示もあり、比較的早くからフィルム上に光で読み取れる形で音声の記録が行われてきたことに気が付きました。 私たちは光ディスクの世界にずっと居るのですが、光記録の原点はこんなところにあったのですね。

初期のビデオレコーダー さらに、時代は下って携帯型のカセットテープレコーダーから、CD、LD,DVDとデジタル時代に入ります。このあたりになると、日本の製品がたくさん登場してきます。  もちろん、Audioの発展に大きな力を発揮されたSONYの盛田さんお写真もありました。 時代をさかのぼりながら、時代毎のトピックを展示したショーケースのほかに、特定の分野にしぼったショーケースがあり、記録媒体の歴史というケースには、音声記録用のテープから、カセットテープ、ビデオカセットと続き、最後は記録形DVDに到達します。(記録媒体の歴史ケース) もちろんここに展示されているのはDVD+Rメディアでした。 やっぱり、アメリカでは、DVDといえばプラスフォーマットなのだなと実感した一こまでした。

記録媒体の歴史ケースみなさんも、ただ、じっとゲートで座っていないで、ウォーキングをしてはいかがですか?
新しい発見があるかも知れません。

第3回 楽しい食事

みなさん今日は、ハマのビール瓶です。
私は他の住人さんと同じように出張で海外にでかけることが多いのですが、食事には、頭を悩まします。幸い好き嫌いはほとんどないので、何が出てきても食べることはできます。でも、どうせなら食べたいと思ったものを食べたいと思うのですが、狙ったものが食べられるとは限りません。日本語のメニューがあれば事は簡単ですが、英語の場合はまず、食べ物(そざい)の名前が第一のハードルです。 肉はポーク、チキン、ビーフ、ラムくらいですが、魚はロブスター、シュリンプ、ツナ、オクトパス、サーモン、くらいは有名だが、鯛やヒラメ、いわし、鯵、ブリなんてことになるとなんだったっけ?(英語名みてもわからないのも当然)早々名前が浮かんできません。メニューとしては良く出てくる、ホタテ貝なんてのも英語で書いてあると、ホタテだったっけ?アワビだったっけ?と迷います。 もっと困るのが料理方法で、そもそもがあまり料理に興味があるわけではないので、日本語なら焼く、煮る、蒸す、炒める、和える、揚げる などなどだが、グリルド、ボイルド、スチームド、ベイクド、マリネード、ソテード・・ ほらだんだんわからなくなってきましたよね。ソテードは Sauteed と書くのですが私はついこの前まで”ソーテッド”と読んでいて不思議に思っていました。とりあえずメインの料理は決まったとして(たとえばビーフに)、ステーキを注文するとしましょう。ファミレスっぽいお店だと、次に来るのが(これは日本も同じだが)サイドディッシュはなんにするか、ベイクドポテト、マッシュドポテト、温野菜 などなど 、サラダのドレッシングは?(フレンチ、イタリアン、サウザンアイランド、・・・)と、適当に持ってきてよと言いたくなることもありますね。ここまでは英語のメニューがあった場合の話で、他の言語のメニューしかないことになると、これはもう賭けみたいなもので、思い描いた食べ物が出てくるか、まったくはずれか、「勝負!」という感じでる。これはこれで楽しい思い出になりますが。 。

話は変わりますが、海外における日本料理店の認証をしようという話がありました。 つまり、海外にある和食レストランの提供する食事が日本のものに近いものかをチェックしようというものだそうです。 確かに和食レストランといっても、怪しげなものがでてくることがあります。 いつぞやは、餃子を注文したのに、出てきたものはどう見ても肉野菜いためといったことがありました。 たれも甘酸っぱいもので、醤油、酢、ラー油ではないんです。 お寿司屋に行っても握りずしはそのままですが、米国ではいろいろと変わり種もあります。カリフォルニア巻きは日本でもポピュラーですが、スパイダーロール(ソフトシェルクラブを揚げたもの)、キャタピラロール(巻き寿司の上をアボカドでカバーして、芋虫のように見えるので)、サーモンスキンロール(個人的にはこれは大好きです)を、といった変わり種が当たり前です。 正統派のおすしが好きな人からするととんでもないものですが、これが美味しいんですね。 結構手間もかかっていて見た目も面白い物です。是非トライしてみていただいてはどうでしょう。
また、日本にもフランス料理、イタリア料理、中国料理 などのお店がたくさんありますが、本場そのものの形で持ち込めば日本人にとって美味しいとは必ずしも言い切れないのではないでしょうか? 逆に日本人の感覚を取り入れて美味しくしているお店が、本場の人にそのまま受け入れられるかはどうでしょう。これまで、一流の○○レストランと思っていたところが、認定で不合格になったりしたとしても、やっぱりそこは美味しくなかったんだ ということにはならないでしょう。 私は、こういう人の嗜好が働く世界は、現地の好みに合わせてモディファイされていくのは良いことだと思います。それぞれの国の文化、味の好みにあった形になっていくのが自然ではないでしょうか。

でも、光ディスクの場合はちがいます。世界中できっちり規格に合ったものを作らないと、互換性のないものが出来上がってしまいます。その点、認証をきちんとやっているDVD+R/RWフォーマットなら安心ですね。

第4回 「このテープは自動的に消滅する」

「このテープは自動的に消滅する」
という大平透さんのナレーションは中高年の方々には懐かしいことと思います。
初代のミッションインポッシブル(スパイ大作戦)が始まったのは1966年、まだ記録媒体といえば、テープしかなかった時代でした。 フェルプス君が、オープンリールテープ(最初の頃はレコードだったらしい)に録音された指令を聴くと、テープは自動的に煙となって消えてしまうシーンは、子供ながらに強い印象をうけたものです。 これは受け売りですが、初期の放送では、「このテープは処分してくれたまえ」というものもあったそうです。 このミッションインポッシブルをトムクルーズが主演して映画化した第一作では、フェルプス君はアテンダントさんに薦められた8mmビデオで指令を動画入りで受け取るようになり、第2作では、サングラスに仕込まれたメモリの画像が、表示されます。第3作では、コンビニの棚にぶら下がったインスタントカメラにモニターがついていて、ここに動画が映ります(というより、網膜上に直接投影しているようにも見えます)。 時代とともに、手法が変わっていきますが、中にはどんな記憶媒体が入っているのでしょうか? セリフでも、MI/1では、「このテープは・・」でしたが、MI/2からは「このメッセージは自動的に・・」と、媒体が特定できなくなっています。 8cmのDVD? デジタルビデオカセット? Flash Memory(MI/2は大きさから考えるとこれでしょうね)と気になります。

映画や小説に出てくる光ディスクやIT関連の小道具をちょっと思い出してみましょう。 アナログの世界ですが、「ローマの休日」で、プリンセスの行動を盗み撮りしているアービング(ブラドリーの同僚)のライター型のカメラは、手に入れたいアイテムのひとつです。 光ディスクでは、先ほども出てきた、MI/1では、トムクルーズが、スパイのリストのデータを3.5“の光磁気ディスクにコピーしていました。ディスクのブランドは良く見えませんが、アルファベット4文字のようなので、当時MOディスクを作っていた大手企業かなと思います。また、何の映画だったかは忘れてしまいましたが、CD−Rディスクに重要なデータをコピーして持ち出す話もありました。これも国内大手ブランドでしたね。未来の記憶媒体としては、「マイノリティレポート」には、動画を記録する半透明の円盤が登場していました。ちょっと見はホログラムのようでしたが、いったいなんでしょう。こうやって、映画などにディスクが登場したときは自分のやっている仕事が市民権を得たような気がしてうれしかったものです。

SF小説や映画では、著者や製作者が想像した未来の機器が登場します。メモリの分野では、メモリーキューブといった記憶装置がよく登場します。これはどうも稼動部のないメモリのようで、今で言うと、キューブ型をしたUSBメモリに、無線のインターフェースをつけたようなものだったのかなと勝手に創造しています。また、ハインラインの初期の名作「夏への扉」にはメモリチューブという記憶媒体が登場し、まだ、板のようなものに記録するという感覚がなかったのかと思います。「2001年宇宙の旅」では、HAL9000の動作を止めるシーンで、ボーマン船長は、HDDアレイのようなメモリを抜き出していました。
また、マイケルクライトンの最近の作品、「恐怖の存在」では、主人公に送られてくる情報が “DVD-R” に収められているくだりがあり、DVD+R/RWフォーマット応援団としては、うーん、これは原作(英語版)では、DVD+Rって書いてあるのに、翻訳時に日本向けに DVD-Rに変えられたのかなとちょっと気になります。 今度、原書をチェックしてみます。

とりとめなく書いてしまいましたが、最初に戻ると、私達記録媒体の開発者としては、5分で消滅する なんてとんでもない話だったのですが、昨今の情報漏えい事件を見ると、認証された人以外がアクセスすると中身が消えてしまうような媒体もありなのかなと、考えてしまいます。

第5回 欧州電車の旅(その1)

第4回 宿題の報告
「恐怖の存在(STATE OF FEAR)」におけるDVDメディア調査結果です。
先日、米国出張の際に確認したところ、原書では、「DVDだ」となっており、記録媒体なのか、ROMなのか明確でない表現になっていました。
話の流れから行くと、ROMで作成するような代物ではないはずなので、DVD+Rか、DVD-Rかという理解をされた翻訳者の方は、よくご存知だなと感心した次第ですが、それくらいの修正は解釈の範囲内なのかということにも驚きました。

こんにちは。
ハマのビール瓶です。
今日は、欧州の電車に乗りましょう。

飛行機で移動するのは速くてよいのですが、鉄道での移動は、”旅してる”って感じられるので私は大好きです。 ゆっくりと流れる風景は、飛行機では味わえないものです。 では、旅を始めましょう。 まず、切符を買うのですが、目的地はもちろん、片道?往復?、1等車、2等車?などを聞かれます。切符だけでなく、長距離や乗換えがあると、○番線から、何時の列車に乗って、××の駅で、△番線の列車に乗って・・という親切な説明を書いた紙をくれます。これは非常に心強いです。 次に驚くのは改札がないことです。 大きな都市の中央駅は、行き止まりになっていることがあり、切符売り場や、売店などがあるコンコースから、フォーク状に伸びたプラットホームに直接入ることができます(ハリーポッターが、初めてホグワーツに行くときの駅のシーンを思い出してください)。 通過タイプの駅も、コンコースからそのままホームに入ります。 無銭乗車という不届きな人はあまりいないのかなと心配になるくらいですが、現地の人は、電車はお金を払って乗るものということが定着しているのでしょう。 もっとも、長距離電車の場合には、車掌さんが検札にやってくるので、そのとき、もし切符を持っていないと、切符代に加え、ペナルティを払わされることになります。 これは、市内の市電でも同様で、都市にもよりますが、電車が到着すると、側面に4つ、5つとあるドアがいっせいに開き、そこから乗り降りします。 車掌さんが乗っていてチェックする場合もありますが、混んでいれば、全員のチェックなど不可能ですが、長年このシステムでやっているということは、それでも損得のバランスがとれているんでしょうね。 いくらかは、無銭乗車がでても、乗り降りの効率を考えて運営しているんだと思います。 ちょっと話は飛びますが、効率と仕組みの構築の関係で似たような状況をコロラドの有料道路で見かけました。 アメリカにもETCと同じシステムがあるのですが、料金所に近づくと、現金の人はサイドのレーンに入って、料金所で止まってお金を払うのですが、ETC装着車は、ゲートも何もない本線をそのまま減速もせず、まっすぐ走っていくのです。 当然ですが、本線上にETCのアンテナはついており、それで十分に検出できているようです。 日本では、ETC車であっても、ゲートを通過し、遮断機が開いて通るのですが、そんなことにお金をかけるより、たまに不届きな人がいても、ゲート作って維持するよりはコストがかからないという考えなんでしょう。  もちろん、ルールを破れば厳罰が待っていることは間違いありませんが。 先日、この一年間にゲートを突破したETC未装着者が92万台にのぼったというニュースがありました。 お金はとれない、ゲートのバーは壊されて修理代がかかる。 というのはけっこう無駄かもしれません。

さて、鉄道の話だけに脱線しました。列車に乗り込むと、私たちがおなじみの中央に通路があり、両側に座席がある車両もありますが、これまたハリーポッターでハリーとロンがはじめて会話するシーンのように、6人が3人ずつ向かい合って座る個室(コンパートメント)が設置された車両もあります。 私が、アムステルダムからハノーバーに列車で移動したときは、私が一人で座っていたコンパートメントに30台後半くらいの夫婦が、大きなリュックに、ジーンズというスタイルで乗ってきました。 奥さんのほうから、こんにちはとすぐに声をかけてきて、どこから来たの? 何しに行くの? と、旅は道連れ状態になってきました。 聞くと、二人はオーストラリアから、建築業界のショーと、欧州の建築事情を調査するというミッションで、3週間くらい旅行するということでした。 とにかく、屈託がなく、明るくお話をしてくるところは、さすがにオーストラリア人だというところです。 その時は、ハノーバーでCeBITというIT系の展示会が開かれていたので、途中からドイツ人のエンジニアっぽい若者が後からそこに乗ってきました。 そのオーストラリア夫婦は、こちらにも親しげに声をかけるのですが、さすがドイツ人なのか、なんとなく打ち解けきらないうちにハノーバー到着となりました。

スイスの列車は小ぎれいで、サロン風の席があったりして楽しいです。 一等車は、上述のコンパートメントになっている場合と、普通のオープンな席が並んでいる場合とありますが、オープンなほうは、2席+1席の3列で、新幹線よりも広々としています。

いよいよ目的地に到着です。 降りると際には、ドアの横についている開閉ボタンを押したり、古い車両だとレバーを回してドアを開けます。うっかりしていると降りそこなうことがあるので注意が必要です。 そうそう、乗り込むときにもドアの横のボタンを押してドアを開けないといけないので、だれかいるところから乗り込むほうが安全です。 誰も乗り降りしないならドアを開ける必要はないでしょ、という欧州人の合理性なんですね。さあ、新しい街へ飛び出しましょう。

今日はこの辺で。
次回も、鉄道のお話をしたいと思います。

第6回 新幹線の旅

こんにちは。 ハマのビール瓶です。

子供が小さいころ、通りがかりに新幹線がみえると、「ほら、新幹線だよ!」というと、必ず興味を持ってみています。 子供にも、なんとなくかっこいいものというイメージがあるのか、普通の電車より注目度は高いようです。 私も子供のころから、特急電車に乗るんだ というと、わくわくしたものです。 ということで、今回は新幹線のお話。

日本の新幹線と同じように、各国でも高速の列車があります。 フランスのTGV, ドイツのICEが欧州では有名です。 TGVは、ドーバー海峡のトンネルを抜けてイギリスまで走っていますね。 またまた、ミッションインポッシブルですが、最後のクライマックスの場面で、この列車が舞台になっていました。 私が初めて(というより1回しか乗ったことないのですが)TGVに乗ったのは23年前 ジュネーブからパリまでの区間でした。 写真は当時のものです。 客車に乗り込むと、一車両の半分は前向き、半分は後ろ向きに固定されていて、真ん中が、向かい合う席になっていたのがなんだか新鮮でした。 昔の成田エクスプレスにはその逆の、真ん中が背中合わせになるレイアウトがありましたね。 コーヒースタンドのある車両の入り口のドアが、入るときは、普通の自動ドアのように勝手に開くのですが、出るときにはドアの横についた小さなボタンを押さないと開かないしくみになっていて、ドアのまえで足踏みしたり、飛び上がったりしてたら、誰かが、そこのボタンだよ と教えてくれました。さすが、フランスデザインです。
ドイツのICEは、白一色のボディで、いかにも機能的な印象です。 この写真も10年前のもので、最近の車体はもう少し丸くつるんとして、ミュンヘン名物ホワイトソーセージみたいなものになっています。 大聖堂で有名なケルンからフランクフルトまで乗ると、1時間ちょっとくらいしかかからず非常に早いのですが、山陽新幹線と同じように、山や丘を突っ切ってまっすぐ走っていくので、あまり風景は変わりません。 このコースを在来線で行くと、ライン川沿いを走っていくので、川面の流れ、近くの丘に立つ古城を眺めながら、優雅な気分に浸れます。時間がある方は在来線のご利用をお勧めします。
先日、上海で新幹線(残念ながらリニアではありません)に乗ることができました。 駅の中には、一等車(軟座車)と二等車(硬座車)に分かれて大きな待合室があり、待合室のシートも、クッションありと、ただのプラスチックのものと差があります。 さて、そろそろ出発の時間になるとアナウンスがあり、その列車に乗る人がぞろぞろとプラットホームに出て行くシステムになっており、ホームには必要以外の人はいません。ここの新幹線は日本の技術を導入したようで、日本の新幹線に乗っているのとほとんど同じ感覚です。 夏休みシーズンだったので現地の旅行者も多く満席でしたが、よく言われるようなマナーの問題は感じませんでした。
新幹線は台湾にもあります。今年春に開業したのですが、当初はみんな怖くて乗らないという話がありました。 車両は日本からの技術導入ですが、レールはドイツの技術、運行システムはフランスのものということで、ほんとにうまく行くのだろうかというのがみんなの心配でした。 半年たっても大きなニュースは入ってこないので、大丈夫なんでしょう。 ただ、光ディスクに関係する台湾の企業の多くは、台北から南西へ60キロくらいの新竹市にあり、新幹線に乗っていくメリットがあまり感じられません。 とはいえ、今度行く機会があれば、トライしてみます。

発車に合せてビールを開けて、心地よい揺れを感じながら旅をする。引退したらまた行こっと。

第7回 ご近所の話

こんにちは。 ハマのビール瓶です。

昨年の秋ごろから、歩いて出勤しています。 家を出て、小さな森の中を通り抜け、緑の遊歩道に沿って歩きます。 秋には、木々の葉っぱが色づき、強い風が吹くと雪のように落ち葉の舞が見られ、その後は落ち葉の絨毯になります。 落ちた葉は、自然に朽ち果てて土に帰り、また根を通して養分として吸収されていくのでしょうが、冬の間は、微生物の活動も鈍っているのか、葉が落ちて3ヶ月以上も経つのに、けっこう落ちたままの状態で残っているものがあります。 たぶん、春になって、ふと気がつくと土と見分けがつかなくなっているのでしょう。 落葉樹は、直接的に資源をリサイクルしているのですね。

そういえば、葉が色づく と言いますが、葉の中には、光合成のための葉緑素(当然緑色)がたっぷりあって、このおかげで夏の間は緑色しているんですね。これが秋になると、葉の付け根にバリアができて、養分が行かなくなり、先にこの葉緑素がなくなっていくことで、元からある茶色や黄色が見えてくるんだそうです。 太陽のエネルギーを、光合成という形で蓄積してくれ、二酸化炭素を還元してくれる植物は私たちになくてはならないものです。 大事にしましょう。

遊歩道沿いには池があり、2月の初めごろは時々凍結していました。 この池に住みついているアヒル君が凍った池の表面をぺたぺたと歩いて下を覗き込んでいる光景が微笑ましい。 (本人?はご飯が食べられなくて困っていたのでしょうが) もうすぐ春です。 ビールがもっと美味しくなる季節がやってきます。


第8回 プラスフォーマットの特徴を説明すると

 DVD+RW規格を策定していた時期に、プラスフォーマットの良さ、特徴を、業界の方や一般ユーザーの方に説明する機会がずいぶんありました。技術者が説明すると、聞いたことのない言葉がたくさん出てきて、聞いているみなさんによく理解してもらえないことがあるのですが、なるべく感覚的には理解していただけるような説明をしてきたつもりです。 今日は、そのうちの一つをご紹介します。プラスさんの部屋や、引き出しさんの部屋でも、少し触れられている内容ですが、もう少しみなさんの理解が深まればと思います。 ということで、今日は高周波ウォブルについてのお話です。

 プラスフォーマットは世の中にたくさん出回っているDVD再生装置との互換性の高さが最大の特徴で、しかもドライブにとっても、パソコンのシステムにとっても使いやすいメディアを提供していることですが、じゃあ、他の規格と具体的に何が違うの?って聞かれると、これが意外と説明するのは難しいのです。DVDにはいくつか規格がありますが、みんな丸くて、ちょっと金属っぽく光っていて同じように見えます。 でも、ディスクを顕微鏡で拡大していくと違うところが見えてきます。
 DVD+RWやDVD+Rなど、記録ができるディスクは、紙で言うと、白紙のノートのようなものです。では、ここで想像してみてください。まったくの白紙のノートと、罫線が引いてあるノートでは、どちらが、整然と字を書き込むことができるでしょう。たぶん、ほとんどのみなさんは罫線があるほうが書きやすいですね。 DVD+R/RWでも、この罫線に相当するグルーブ(溝)というものが記録する部分に設けられていて、この溝に沿って記録をしていきます。 グルーブどうしの間隔は0.74ミクロンと、髪の毛よりも細い間隔です。このグルーブによって、半径方向の位置が決められます。 では、円周方向(ディスクが回る方向)の位置はどうするのでしょうか?
 ディスクはドライブの中で回転して、そこに記録していくわけですが、モーターの回転数はみんな厳密に同じというわけではありません。これをモーターの回転数に任せて記録をしていくと、たとえば、ある装置でビデオを書くと1時間50分でいっぱいになり、別の装置では2時間5分でいっぱいになった、というのでは困りますよね?
 さてここで、ウォブルという新しい言葉が登場します。上述の溝は、まっすぐ(といっても、丸いディスクのなかで、渦巻状になっていますが)に出来ているわけではなく、わずかに左右に蛇行しています。この蛇行をウォブルと呼びます。
 このウォブルは同じフォーマットのディスクであれば同じに作られていて、円周方向の罫線の役目を果たします。DVD+RWやDVD+Rフォーマットのディスクは、このウォブルの振れ方が、別のフォーマットよりも多い(振れている周波数が高い)という特徴があります。ドライブはこのウォブルの振れ(つまり定規の目盛りのようなもの)をみながら、自分のスピードを調節します。 ではここで、想像してみてください。目盛りが1cm毎にしかない定規と、目盛りが1mm毎に刻まれた定規と、どちらが正確に測れるでしょうか? もちろん、1mm刻みの定規ですよね? ウォブルの周波数が高いというのは、そういうことなのです。 ドライブが記録をする場所を正確に決めるための目盛りが細かいということなのです。
 この、細かい目盛りのおかげで、DVD+RWフォーマットの特徴である、「データを書き込む際に一旦途切れた時や、一度記録した後に新しいデータを追加して書き込むことが、どのドライブでも容易にできる」ことが実現できているのです。

第9回 プラスフォーマットの特徴 その2

こんにちは、ハマのビール瓶です。
先日、知り合いから「HDDレコーダーで録画した映像をDVDに焼いたんだけど、DVDプレイヤーで再生できないんだ」 と相談されました。 別にコピーワンスの映像というわけではなさそうなので、「うーん、何でだろうね?」とその場は別れてしまいました。 家に帰って、あっ、そうか! ファイナライズしてないんだ ということに気がつきました。私はいつもDVD+RWディスクを使ってダビングしているため、ファイナライズなんかしないでも他のプレイヤーで再生することができるので、すっかり失念していました。
 そうです、このDVD+RWは、ディスクを取り出すときに自動的にファイナライズされるようになっているのです。 いちいち、リモコンのボタンをたくさん押して、ファイナライズしますか? とか、ファイナライズにはあと○分かかります、 なんてものを見なくても、ただ取り出せばそのまま、他のDVDプレイヤーで再生が可能です。 
 “でもファイナライズすると、それ以上録画できなくなるんじゃない?”と思われたあなたは、かなり詳しい方です。でも、DVD+RWなら心配ご無用。 一旦取り出したディスク(ファイナライズされています)を、レコーダーに再度挿入すると、ファイナライズは解除され、以前録画した後から、更に映像を追加することができるのです。

 これは、前回のプラスフォーマットの特徴で説明した高周波ウォブルが大きな役割を果たしています。高周波ウォブルを採用することで、記録する場所を正確に決められることを前回お話ししました。 ファイナライズの際に何が行われているかというと、記録された映像のデータの直後に、「ここで終りですよ」という信号を書き込んでいるのです。 プラスフォーマットは、DVD+RWが取り出される際に、この「終りですよ」の信号を自動的に記録するように決められています。 また、こうやって「終りですよ」と書き込まれたディスクが挿入され、更に記録したいと言う場合には、前回記録された映像情報の直後(すなわち、前回記録された「終りですよ」信号が書かれている部分)から、新しい映像データを書き込んでいくのです。記録する位置を正確に決められるからこそ、前回の映像データの直後に、あたかも、一繋がりに記録されたかのように、次の映像データを書き込むことが可能になっているのです。 
 録画したら、ただ取り出して、他のプレイヤーや、レコーダーで再生でき、またレコーダーに挿入すれば、残っているスペースに更に録画できる:昔のVHSのビデオデッキなら当たり前に出来たことをDVDレコーダーでも実現する。これがプラスフォーマットが目指したことのひとつだったのです。

第10回 ビデオ編集の楽しみ

迷宮写真家さんのビデオ作成のお話に続いて、私もビデオ編集のお話をします。 先日、プライベートな仲間と温泉旅行に行きました。 話はいきなり脱線しますが、新宿からロマンスカー(50000型-VSE)の一番前の席を友達が確保してくれました。 乗り物大好きなハマのビール瓶としては、大感激。 しかも、天気は快晴。 富士山が真正面に大きく見える最高のシチュエーションで、ビールが更に美味しくなりました。 

 さて、この時撮影したビデオを編集して旅の記念のDVDを作製しました。 撮影は私のDVテープのカメラともう一人のHDDカムコーダの2台で行ったので、元映像が両方で4時間近くになっていました。 記録形DVDを仕事にしていた私としては、編集して1枚のDVDを作る役を引き受けてしまったのでした。 ただ、同じ旅行を撮影しているのですから同じような映像もあるわけで、両方のビデオをそのまま継ぎ足してディスクにしても、同じ様なシーンを二度見ることになるし、また、延々4時間もビデオを見るのもたまりませんよね。 そこで、ダブりを避けるために、両方の映像を使い分けて2時間くらいまで編集することにトライしてみました。 

 まず元の映像をパソコンに取り込んでから、編集の開始です。 DVD作成用の映像編集ソフトを使うと意外に簡単にできることがわかりました。 それぞれの映像の使いたい部分を細切れにして(もとのファイルが細切れになるわけではなく、使いたい部品として見かけ上小さい単位になっているだけです)、使いたい順番に、積み木を並べるように置いていくと、つなぎ合わせた映像ができます。 それぞれ、つなぎ合わせる部分の微調整ができるので、うまく調整すると、異なるアングルの映像でも音声はスムーズにつながった映像ができます。 やり始めると面白くてだんだんのめりこんでしまい、映像のつなぎ目にはクロスフェードや、スクロールなどの効果を入れたり、キャプションやエンドロールも入れて(この辺は迷宮写真家さんと同じですね)、2週間くらいかかって2時間への編集が完了しました。 
 ところがここで問題発生。 いざ、エンコードしてDVDに記録すると、音が入っていないではありませんか! 編集中のプレビューではちゃんと音がしていたので安心していたのにこれはちょっとショックです。 ソフトメーカーさんではそういう現象は発生してないとのことで、なんだかパソコン環境との相性が悪かったのでしょうか。 結局、音声フォーマットの設定のうち、とある組み合わせの場合は、音入りのDVDができることが見つかり、記録形DVDを仕事にしていた私としては面目を保つことができた次第でした。

 ちょっと休憩: 三十数年前にその仲間を8ミリムービー(電子的ではなく、銀塩フィルムに動画を撮影するもの:昔 扇千景さんが、「私にも映せます」とCMやっていたあれです:分かる人は、それなりの年齢ですね)で撮影していたものがあり、デジタイズのサービスを利用して上述のDVDにおまけとして入れました。 モノクロで、音声なし、画質もぼやけたものですが、映っている映像を見ると、自分の原点を見るような気がします。 たまには、ふっと振り返る時間を持つのもよいかもしれません。 

第11回 ご当地コイン

アメリカのお金はご存知のドルですが、1ドルより小さい単位はセントと言い、100セント=1ドルになります。 セントの単位はコインを使い1セント、5セント、10セントコインの上は、日本人になじみのない25セントという単位のコインがあり、現地の人は一番重宝して使っているようです。 1ドルの4分の1なので、通常クオーターと呼ばれています。たとえば50セントのおつりだったら、25セント硬貨2枚で出てきます。 38セントなら、25セント+10セント+1セント3枚となります。計算のしかた、ちょっと慣れないと戸惑います。 このコインのデザインは、普通のものは表がジョージワシントンの上半身、裏が鷲のデザインになっています。 何年前だったでしょうか、「あれっ?違うデザインがある」ことに気がつきました。 しかも注意しているといくつも種類があるではありませんか。 写真は小さくてわかりにくいかもしれませんが、デザインとともに、”California”とか、”Texas”とか書いてあります。 どうやら、アメリカの州のご当地デザインのようです。 Wikiによると、1999年から米国50州のデザインを、順次発行し、2008年には50個全部出揃うそうです。 記念コインというわけではないので、普通に流通しており、出張に行ってお釣りをもらう度に見つけるように気をつけていたところ、現在26州分が自然に集まりました。 それぞれ州の特徴がデザインされていて、ちゃんといわれを調べていくと、それぞれの歴史や、地域の特徴を理解できおもしろいと思います。 いくつか写真を載せてみました。 独立戦争の舞台となった、New Jersey州は”Crossroad of the Revolution”という文字とともにワシントンと軍隊の絵がデザインされています。 また、Lone Star Stateと呼ばれるTexas州は、州の形と、星がひとつのデザイン、 Colorado州は、やはり山にまつわるデザイン、New York州は自由の女神が入っています。 Tennessee州は、楽器のデザインが楽しいです。 

 また、欧州でも同じようなことをやっていて、コインの表は統一デザインですが、裏は各国のデザインが採用されています。 ユーロ発足当時、空港のセキュリティを通り抜けたところで、セキュリティの係員が、各国のコインを集めようと考えたのか、「コイン交換してくれ」と声をかけられたのが当時非常に面白かった記憶があります。 こちらは残念ながらまだ4種類しか手にはいっていませんが、すこしずつ集めてみようと思っています。

もうひとつお金のお話です。 ユーロ移行でなくなってしまったドイツマルクですが、10マルクのお札のデザインはとてもユニークでした。 日本と同様に、ドイツ出身の著名人が描かれているのですが、10マルク札は数学者のガウスが描かれていて、これだけなら普通ですが、なんと顔の横にガウシアン分布のグラフと式がお札に描かれているのです。 理系の方ならまず間違いなくご存知のグラフですが、お札とのとり合わせって考えると、さすがドイツという感じがします。 ほかにもシューマンとピアノのデザインなど、肖像画の人物と関連するものが描かれて、楽しくなるデザインでした。 オランダのギルダー紙幣もカラフルで美しいものでしたね。

旅行中にホテルに帰って一息つくときに、現地のお金をしげしげと眺めてみると意外な発見がありそうです。

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